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簡単そうで難しい、商号・屋号を決める際の留意点と6つのポイント

独立や起業をするためには、様々な事務手続きが必要になります。
その中の1つに、会社や個人事業の名前である商号・屋号を決めるというものがあります。

一見他の作業に比べて簡単そうですが、名前如何で会社や事業のイメージも左右されてしまうので、実は最も難しい作業かもしれません。

今回のブログでは、この、商号・屋号を決める際のポイントや注意点についてお話していきたいと思います。



商号と屋号の違いとは?


そもそも、商号と屋号は一体何が違うのでしょうか?
二つの違いについてまずお話します。


商号は「会社」の名前

商号とは、株式会社などの「会社」の名前であり、会社を設立する際は定款に必ず記載しなくてはいけません。

設立登記の際に、商号で作成した会社の印鑑を登録することになります。
ですので、一度決めた商号は簡単に変えることができません。

商号を決める際は、よく検討してから決めるように注意しましょう。
また、後述しますが、会社の商号に限り、決める際の留意点がいくつか存在します。


屋号は「個人事業」の名前

屋号とは、個人事業主やフリーランスが、自分の個人名以外を名乗る際に決める名前です。
会社の商号と違い、必ず名乗る必要はありません

店舗で商売をするような場合は、基本的には店名を付けます。
しかし、フリーランスで仕事をする場合など、自分の名前で問題なければわざわざ付ける必要はありません。


商号(会社名)を付ける際の留意点


会社の商号に限り、いくつか決める際の留意点が存在します。
留意点に引っかかってしまうと、商号として登録することができなくなります。
代表的なものをいくつかご紹介します。


会社の種類を必ず入れなければいけない

会社の商号には、会社の種類を必ず入れなければいけません。
現在の会社の種類は、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4種類です。

その会社が、どの種類のものなのか判断できるように入れる必要があります。

「〇〇株式会社」、「株式会社✕✕」のように、名前の前後どちらかに入れます。


類似商号を避ける

既存の他社と同じ、あるいは類似した商号は極力避けるように心がけましょう。
場合によっては、損害賠償などを求められてしまう可能性もあります。

また、他社と名前が混同することで、集客面でも大きなマイナスです。
検討段階から、インターネットなどでよく調べてから、商号を最終決定するようにしましょう。


同じ住所に同じ商号は登記することができない

類似商号を避けるとお話しましたが、そもそも、同じ住所にすでに使用されている商号は登記することができません。

例えば、オフィスビルに事務所を構える場合など、そのビルにすでにある他の会社名を登記することはできません。

登記の段階で新しく考え直すとなると、かなり時間の無駄になってしまうので、あらかじめ調べておくように心がけましょう。


学校、病院、銀行等の名前の使用は違法

当たり前ですが、「〇〇病院」や「✕✕銀行」などといった名前を、それらの業務を行っていないにもかかわらず商号に入れることは、法令にて禁止されています。
当たり前ですね。

また、公序良俗に反するような名前にすることもできません


使用できる「文字」も決まっている

商号として使用できる「文字」にも、一応制限があります。
商号として使用できる文字は以下の通りです。

① 商号に使用できる文字
・ひらがな
・カタカナ
・漢字
・ローマ字(大文字ABC、、および小文字abc、、)
・アラビア数字(123、、)

② 会社の商号に使用できる符号
・「&」(アンパサンド)
・「 ' 」(アポストロフィー)
・「,」(コンマ)
・「 ‐ 」(ハイフン)
・「.」(ピリオド)
・「・」(中点)

これら以外の、文字や記号を使用することはできません。


屋号(個人事業)は基本的に自由

会社の商号は法務局に登記する必要があるので、様々な禁止事項や制限がありました。
個人事業の屋号の場合、どこかに申請したり手続きが必要なことはないので、基本的に自由に名前を決めることができます。

しかし、自由だからといっても、モラルを守った屋号を付けるように心がけましょう。


商号・屋号を決める際の6つのポイント


では、実際に商号・屋号を決める際のポイントを、思いつく限り書いていこうと思います。
どれか1つでも参考になればと思います。


ポイント1|事業内容に沿った名前にする

1つ目のポイントは、実際に行う事業内容に沿った名前にするということです。
これによって、商号・屋号を見れば何をしている会社やお店なのか、一目瞭然になります。

「〇〇英会話スクール」、「✕✕運送」、「△△ラーメン」などの例が挙げられます。

ぱっと見で何の会社やお店か分かるというのは、広告宣伝の手段が少ないうちは非常に有効になります。


ポイント2|経営理念や目標に合う意味の単語や造語

2つ目が、会社や事業の経営理念、将来的な目標などを、意味づけして単語や造語にするということです。
商号・屋号の決め方としても、一番お洒落な決め方ですね。

有名企業の例をいくつか挙げてみます。

・YouTube:あなた(You)のブラウン管(Tube)という意味の造語
・Twitter:「さえずり」という意味の「tweet」から
・アスクル:「明日」「来る」の造語
・キャノン:観音様→カンノンサマ→カンノン→カノン→キャノン
・DoCoMo:Do Communications Over The Mobile Networkの頭文字


ポイント3|自分の名前を入れてみる

3つ目は、自分の名前の全部または一部を入れてみるということです。
地元の商店街から、大企業まで、日本ではお馴染みの決め方です。

有名企業の例は以下の通りです。

・ブリヂストン:創業者の石橋正二郎氏の苗字、石(stone)橋(bridge)から
・ヤマハ:創業者の山葉氏の苗字から
・マツモトキヨシ:創業者の松本清氏のフルネーム


ポイント4|「A」や「ア」から始まる名前

4つ目が、頭文字を「A」や「ア」にするということです。
こうすることで、ネットショッピングなどでブランド名や会社名が並ぶような場合に、先頭に表示されやすくなるといった効果が見込めます。

有名企業や有名ブランドでも、「A」や「ア」から始まる会社は非常にたくさんあります。

・Apple
・adidas
・Amazon
・アース製薬
・AOKI
 など

特に、ファッションブランドや雑貨屋などの商号・屋号の場合に、一考の余地があると思います。


ポイント5|呼びやすい、覚えやすい名前

どんな由来や意味づけにしろ注意したいのが、こだわり過ぎて複雑な名前になってしまうということです。

いい名前にしようと考えれば考えるほど、変な方向に行ってしまいがちです。
複雑で呼びにくい名前になってしまうと、お客さんの紹介や口コミの際にマイナスとなってしまいます。

あくまでも、「シンプルイズベスト」ということを念頭に置いておくようにしましょう。


ポイント6|ホームページのドメイン取得も考慮しておこう

商号・屋号を最終決定する前に、その名前でドメインが取得できるかチェックします。

今の時代、どんな業種においてもホームページは必須です。
仮に、商号の登記が問題なかったとしても、すでに使われているドメインを使うことはできません。

商号・屋号とドメインがばらばらという事態にならないように、最後に必ず調べるようにしましょう。


まとめ


いかがだったでしょうか。

商号・屋号は、会社やお店の第一印象を決める非常に重要なものです。
また、名刺やホームページなどの実務面でも、様々なことで使用することになるかと思います。

安易に決めずに、時間の許す限りしっかりと考えるように心がけましょう。


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