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税務署から連絡が来る前に知っておきたい税務調査の6つの流れと対応する際の4つのポイント

会社を起業したりで経営者になると、会計や税務についての様々な悩みが付いてまわります。
創業初期の税務署や各機関への手続きに始まり、毎年の確定申告や決算など、やらなければいけないことがたくさんあります。

さらに、創業から何年か経ち、手続きや決算に徐々に慣れてくると、また新たな悩みが発生します。
それが税務調査です。
業績が上がったり、会社を設立して数年経ったりすると、税務調査の可能性は上がります。

税務調査と聞くだけで、胃が痛くなる経営者の方もいるかもしれませんが、事前にしっかりと準備をしていれば、必要以上に恐れることではありません。

ということで今回のブログでは、税務調査の連絡が来てから実際の調査までの流れについてお話していきたいと思います。




  • 税務調査とは
まず、税務調査とはそもそもどういうものかお話していきます。


税務調査とは

税務調査とは、納税者の申告した内容や、納税が正しく行われているかを確認する調査のことです。
日本の税金は、基本的に納税者が自分で税額を計算して納税を行うので、不正や誤りがないかを税務調査で確認します。

仮に、間違いがあれば、その後に修正申告や追加の納税を行うことになります。



任意調査と強制調査

ドラマなどの影響もあり、税務調査はいきなり会社にやってきて問答無用で行われる、というようなイメージを持っている方もいるかと思います。

しかし、税務調査のほとんどはそのようなものではありません。
税務調査は、任意調査強制調査の2種類に大別されます。

税務調査全体の約8割が任意調査といわれており、基本的に事前連絡で日程を調整したうえで調査が行われます。
「任意」といっても、税務調査を受ける・受けないを選べるわけではないので注意しましょう。

高額な脱税や悪質な不正が発覚した場合、捜査令状をもって強制的に調査が行われることを、強制調査といいます。



個人にも税務調査はやってくる

税務調査は、会社だけに来るものではありません。
個人事業主などにも税務調査はやってきます。

国税庁の「平成28事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」によれば、平成28年度に合計で64万7千件の所得税についての調査が行われています。(実際の税務調査だけでなく電話等での簡易的な接触も含む。)

個人事業主の方はもちろんですが、会社員の副業なども調査の対象となります。
仮想通貨やFXなどで収益を上げている方は注意しておきましょう。




  • 税務調査の6つの流れ
では、どのような流れで税務調査(任意調査)が行われるのかみていきましょう。


その1|税務署からの連絡

まず、税務署から会社に対して税務調査を行う旨の連絡が入ります。
会社で顧問税理士を雇っている場合には、会社ではなく税理士に連絡がいきます。

このように、事前に連絡が入るものは「一般調査」といわれ、税務調査で最も多く行われている形式です。



その2|税務調査の日程調整

連絡が来たら、実際の調査日を決めていきます。
この調査日の決定は、あくまでも会社側の「任意」なので、繁盛期などを避け、仕事に余裕がある日にちで決めていきましょう。

また、飲食店や美容院などの現金商売の事業の場合、上記の事前連絡なしにいきなり店にやってくる「現況調査」が行われることがあります。
現況調査が行われた場合は、焦らずに顧問税理士に連絡しましょう。
こちらもあくまでも「任意」調査なので、税理士が立ち会える日程に変更することが可能です。



その3|資料の準備と税理士との事前打ち合わせ

調査当日をスムーズに行うためにも、事前に各帳簿書類を準備しておきます。
基本的に調査が行われるのは過去3年分ですが、調査をしている中で間違いや不正を指摘された場合は、さらに過去の分も遡って調査される可能性があるので、それ以前のものもいつでも出せるようにしておきましょう。

また、調査日の前に税理士との打ち合わせも行っておきましょう。
調査官に指摘されやすいポイントなどを、事前に把握しておくことで当日も余裕をもって対応することができます。



その4|税務調査当日

実際の調査はほとんどの場合2日間行われます。
1日で終わることもありますが、2日かかると思っておきましょう。
時間は10時から16時前後まで行われ、12時にお昼休憩を挟みます。

調査は資料の確認・収集の他に、会社やお金の流れなどについて様々な質問をされます。
この質問によって調査官も穴を探っていますので、うっかりと変なことを言わないように落ち着いて対処しましょう。

よく聞かれる質問ですが、調査官の昼食は用意しなくて問題ありません。
出したとしても断られることがほとんどですので、変に気を使う必要はありません。



その5|調査後、税務署と税理士による交渉

調査によって収集した資料は、調査日後に税務署で分析が行われます。
内容に問題がなければ、ここで税務調査終了ですが、多くの場合そうはいきません。

国税庁の「平成28事務年度 法人税等の調査実績の概要」によると、税務調査を受けた会社の約7割がなんらかの間違いを指摘されています。

つまり、ほとんどの会社は多かれ少なかれ指摘を受けることになります。
このような指摘事項は、税務署から顧問税理士に連絡がいき、両者の交渉によって修正すべき事項や金額が決まります。



その6|修正申告書の作成と追徴課税の納税

上記で決まった修正額について、納税者の合意が得られたら、修正申告を行います。
その際、修正申告書を作成して税務署に提出、その後追徴課税額を納付して税務調査は終了となります。

また、この修正申告を行わない場合には、税務署から「更正」の処分を受けることになり、税務署によって一方的に税額を修正されることになります。




  • 税務調査に対応する際の4つのポイント
最後に、実際に税務調査に対応する際のポイントについてお話していきます。


調査官を意識しすぎない

特に初めて税務調査に臨む方は、調査官を意識しすぎないように注意しましょう。

税務調査だからといって、100%不正を疑ってくるわけではありません。
あくまでも、正しく納税が行われているかの確認なので、調査官を必要以上に警戒したり敵視したりせず、冷静に対応するように心がけましょう。



税理士には必ず立ち会ってもらおう

税理士なしで経営者だけで臨むことももちろん可能ですが、その場合、事前準備から当日の対応、事後処理まで全て自分で行わなければいけません。
物理的にも精神的にも、本来の仕事の合間に行うにはかなりハードになります。

それぞれに差異はあれど、ほとんどの税理士は税務調査の経験がありますし、今では、税務調査専門で取り扱っている事務所も存在します。

顧問税理士がおらず、税務調査に不安がある方は税理士への依頼を検討してみることをおススメします。



経費は証拠書類を必ず用意

会社の経費の中には、不正を疑われやすいものが多数存在します。
調査官に指摘されてもしっかりと答えられるように、領収書や請求書などの証拠になる書類を必ず用意しておきましょう。

接待での飲食代の証明などは、領収書に加えて、誰とどのような目的で、という風にメモを残しておくことも有効です。



うっかりと変なことを言わないように注意

上記でもお話した通り、税務調査の当日は調査官から様々な質問をされます。
うっかりと軽率の発言をすると、それが後々に問題になるということもあります。

上記の証拠書類とともに、経営者の発言も調査官にとっての重要な判断材料となります。
一見、世間話のような質問であっても、慎重に言葉を選んで話すことを心がけましょう。




  • まとめ
いかがだったでしょうか?
いきなり税務署から連絡が来ると、どうしても不安で焦ってしまいますが、落ち着いて税理士に相談しましょう。

調査官の方も、決して悪意を持って税務調査に来るわけではありません。
礼儀を持って、冷静に、そして毅然とした態度で対応することが大切です。



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