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個人事業主が税理士に無料で相談できることと税理士を雇う3つのタイミング
個人事業主の方々の中で、ご自身で確定申告をしているという方は多いと思います。
確定申告だけでなく、日々の会計や税務のことで税理士に相談できたらという場面は少なからずあるのではないでしょうか?
ただ、
「税理士ってお高いんでしょう?」
「まだ始めたばかりで確定申告くらいしか頼むことないしなぁ」
「あんまり初歩的なことから聞くと相手にしてくれなそう、、」
などなど、なんとなく気軽に相談しにくい空気が税理士にはあると思います。m(__)m。。
ということで今回は税理士はどこまで無料で相談できるのか、どんな時顧問契約するといいのかについてまとめていきたいと思います。
まず、個人事業主にとって一番大きな問題といえば確定申告ではないでしょうか?
実際に税理士事務所でも確定申告の依頼というのは非常に多いです。
では、確定申告の時に税理士に相談することについてまとめていきます。
確定申告を税理士に依頼するといくらくらいかかるの?
お金を払ってやってもらう場合はどれくらいかかるのでしょうか?
そもそも税理士に依頼という形をとってしまえば、必要書類や領収書を全部預けて丸投げすることができます。
時間をかけること無く、勝手に確実に確定申告を終えることができます。
顧問契約という形をとれば月額の顧問料もかかるのですが、今回それは置いておいておきます。
確定申告のみの値段で見ると
相場で、「5万円~10万円」というのが妥当なところだと思います。
ただ、確定申告のみを格安で請け負う税理士事務所も多く存在するので、相場より安く依頼することも可能です。
無料でどこまで相談出来るの?
数万円払うくらいなら自分で頑張って、分からないところだけ質問したいという方もいると思います。
実際、事業の規模がまだ大きくない時は自分でやってしまったほうが手っ取り早いです。
手っ取り早いというか、お金払ってやるのは勿体無いというか。。
タダで教えてもらえるならタダに越したことは無いです。
そこで、確定申告について無料で相談できるところが実はいくつかあるのでご紹介します。
① 税務署
最寄りの近くの税務署に行き質問するというのが、恐らく一番間違いないです。
初めて確定申告をする方や、ちょっとだけ分からないところを聞きたいという方は、まずはお近くの税務署に相談してみるのがいいと思います。
しかし、節税についてのアドバイスなどはもらえないので注意です。
② 市区町村役場
確定申告時期が近付くと、役所にも相談窓口が開かれます。
自分の住んでる近くの役所に行けばいいので、一番気楽に足を運ぶことができます。
しかし、青色申告はできない場合もあり、事業主向けというよりは副業や年金などの申告に向いているかなと思います。
③ 税理士会
税理士会が開設している相談窓口では、税理士会所属の税理士が無料で相談に答えてくれます。
一般向けに誰でも相談に行くことができるので、税務署よりも詳しく聞きたいという方にお勧めです。
確定申告以外の税務の相談もすることができるので、事業を行っていくうえで分からないことがあれば一度足を運んでみるのもいいと思います。
しかし、個別の事案についての相談はできないことになっています。
あくまでも一般的な税務や節税の相談に限られます。
④ 税理士事務所
税理士事務所によっては電話相談や初回の相談を無料で行っていることがあります。
恐らく最近ではほとんどの事務所が対応しているのではないでしょうか?
確定申告や節税について質問できるのはもちろんですが、その税理士の人柄を知ることができます。
初歩的な質問にも真摯に答えてくれる先生もいれば、そもそも税理士が対応してくれないなんて事務所もあります。
追々顧問契約もとお考えの方はまず無料相談から探りを入れてみるのがいいと思います。
しかし、無料相談は30分程で設定している事務所がほとんどなので、事前に聞きたいことをまとめておきましょう。
相談が長時間になったり複数回になると、有料になるケ-スがあるので確認が必要です。
会計ソフトって必要?
次は確定申告や日々の経理を手書きでやるか会計ソフトを使うかについて。
「うちはfreee使ってやってるから確定申告楽勝よ~」
なんて言葉を聞いたことがあると思います。
テレビやネットでも話題になってますよね。
ただ、なんとなく聞いたことはあっても、どういうものかよく分からなかったり、パソコンが得意じゃなかったりで使ってない方多いと思います。
では、実際に日々の経理や確定申告を行う時に、これがあると便利だなというものをご紹介します。
① 簿記3級
まずなによりもあるといいのが簿記3級です。
便利な「もの」というには少し違うかもしれませんが、ご自身で会計を行う場合には絶対にあったほうがいいです。
実際に資格試験に合格する必要は全然ありません。あくまで、簿記3級の知識です。
簿記3級を勉強すれば、青色申告のための複式簿記が身に付きますし、何よりこれから事業を運営していく上で会計の知識は必要不可欠です。
勉強自体もパズルを解くような感覚で難易度は高くないので、仕事に余裕があるときに勉強してみるとお勧めです。
② 会計ソフト
やはり、会計ソフトかそうじゃないかで圧倒的に要する時間が違います。
基本的なパソコン操作ができる方であれば誰でも扱うことができます。
手書きによるミスも少なくなるし、ソフトによっては決算書まで全て自動で作成することができるのでとても便利です。
見よう見まねでもある程度使うこともできますが、やはり簿記3級の知識と併せて使ったほうが確実です。
どのソフトを使うにしても最低年間1万円前後、高いものでも2、3万円と税理士と比べるとお買い得です。
ただ、会計ソフトがどうしても必要な事業規模になってくると、税理士への依頼も考慮する必要が出てくると思います。
会計ソフト買ったけど、結局税理士に頼むことになればその分お金が勿体無いので、よく検討してから購入したほうがいいでしょう。
それこそ、税理士にその旨を相談するのもいいと思います。
税理士雇わなくてもここまで出来るなら、税理士に頼む必要ないな。
と、お考えの方。
次は税理士を雇った時のメリットをご紹介します。
本業に集中できる
まず、一番単純明快なメリットが自分の仕事に集中できるということです。
どんな業種の方にとっても会計作業が一番面倒な仕事だと思います。
本業が忙しければ忙しいほど、領収書の整理や記帳などは後回しにしがちです。
確定申告前にまとめてやるとなると、それだけで大変な作業ですし、ミスも多くなります。
何より会計作業に追われて本業が疎かになってしまっては元も子もありません。
会計用に人件費を割くより、税理士に頼んだほうが安く済みます。
丸投げしてしまえば日々の経理が無くなり、本業のみに全力を注ぐことができます。
安心の確定申告、正確な会計帳簿の作成
今回冒頭からお話してきましたが、税理士に依頼してしまえば確定申告に頭を悩ます必要がなくなります。
そして何より、正確な会計帳簿と確定申告書を作成できます。
「正確だろうとなかろうと申告できれば一緒だろ!?」
いいえ、違うんです!!
確かに確定申告できたということでは変わりありませんが、正確に申告することで65万円の青色申告特別控除が受けられるんです。
個人事業主の方の中にはこの控除を受けていない人が多くいます。
非常に勿体無いです。
税理士事務所に依頼してしまえば、確実に控除を受け取ることができます。
節税対策、ご提案
これも税理士を雇う大きなメリットであります。
日々の経費での節税ももちろんですし、人によっては税法上の特例を受けることができる場合があります。
そういった特例は知らなければ受けることはできないですが、税理士は最新の税法も常にチェックしているので節税としてご提案させて頂くことができます。
業績結果についての定期的な報告、資金繰り
税理士に依頼すれば、確定申告の時期以外でも試算表を見ることができます。
月ごとの利益を数字として見えるようにすることで、経営方針について迅速な決定をすることができます。
また、資金繰表などをもとに融資に関するアドバイスを受けることもできます。
税務調査の対策
個人事業主の方だけでなくとも、経営者の誰もが嫌なものが税務調査です。
「でも、売り上げが高いとこにしか来ないんでしょ?」
と思っている方もいるでしょうが、実はそんなことありません。
前年度や同業種に比べて、経費が多くなっていたりすると税務署が来る確率が高くなります。
税務調査では、経営者と税理士がしっかりと話し合って連係することが大事になってきます。
連絡が来てから焦って税理士を探すのではなく、前々から想定してしっかりと準備を進めておくことが大切です。
法人化の準備
売上が伸びてきたり、事業規模の拡大を考えている場合、会社を設立して法人成りするというケ-スが多々あります。
個人事業の時から税理士と契約していれば、定款の作成や司法書士への受け渡しもスム-ズに行うことができます。
会社にすることで社会的な信頼性が増したり、節税の幅も広がります。
所得税が累進課税なのに対し、法人税は一定なのも事業拡大を考える上では魅力です。
しかし、社会保険料の支払が出てきたりと、法人化するタイミングというのも大事なので、事業の現状と今後の展望について税理士と吟味していくことが大切です。
では、個人事業主の方が税理士を雇うべきタイミングとは一体どういうときなのでしょうか?
いくつかご紹介します。
売上が1,000万円を超えたら
まず、事業の売上が1,000万円を超えたら税理士に相談してみましょう。
理由は1,000万を超えると色々と問題が出てくるからです。
① 所得税は累進課税制度
日本の税法において所得税は累進課税制度になっています。
累進課税制度は簡単に言うと、お金を稼げば稼ぐほど税率が大きくなるということです。
順調に売上を伸ばし、所得金額が増えるほどどんどん税金を払うことになってしまいます。
例えば、現在の所得税率では
695万 < 所得金額 ≦ 900万 の場合、税率は23%
900万 < 所得金額 ≦ 1,800万 の場合、税率は33%
となっています。
つまり同じ売上であっても、節税対策をして所得を抑えるか、知らずに所得を高いままにしておくかで税金の額に大きく差が出てしまうのです。
② 消費税の課税対象者
売上が1,000万円を超えた場合、その年の2年後に消費税を納めなくてはいけません。
消費税の確定申告書を作成しなければいけないのですが、そのためには消費税法の専門知識が必要になってきてしまいます。
なかなか個人で行うには難易度が高いです。
③ 税務調査のリスク
売上が1,000万円を超えると、税務調査の確立も上がります。
税務調査が来てしまった場合、やはり正確な帳簿というのは不可欠ですし、1人で税務署に対応するのはなかなか難しいと思います。
従業員を雇う時
売上にかかわらず、事業の規模が大きくなり新たに従業員を雇う時も税理士に相談するタイミングと言えます。
なぜかというと、個人事業主であっても従業員を雇えば年末調整が必要になる場合があるからです。
これもなかなか個人でこなすには大変な作業となります。
年末調整は税理士が代行できる業務であり、料金も人数によりますが、だいたい1万円ほどで依頼することができます。
会社にする・した時
最初は個人でやって、ゆくゆくは会社にとお考えの事業主の方も多いと思います。
個人から法人に変えるタイミングは恐らく一番税理士に依頼するタイミングだと思います。
法人税の申告は個人の時の確定申告と比べてとても大変になります。
自分で調べてやるくらいなら税理士に依頼してその分本業に専念したほうが圧倒的にコスパがいいです。
法人化すると会社設立以外にもやらなくてはいけないことが多々あるので、できるだけ早く税理士に相談してみましょう。
以下、法人化した後に忘れがちなこと注意すべきことをいくつかご紹介します。
① 青色申告書の提出をしてない
個人の時に白色申告をしてた人は特に注意です。
法人化すると65万円の青色申告特別控除は無くなってしまうのですが、青色申告にすると翌年以降に赤字を繰り越すことができます。
これがかなり重要です。
会社設立の初年度は赤字になるケ-スが多いので、青色申告書は必ず提出しましょう。
② 役員報酬の決定
法人になった場合、会社から自分に役員報酬という形で給料を払うことになります。
役員報酬の決定は会社にとって大事な節税対策になります。
設立から3ヶ月以内に決定する必要があるので注意です。
③ 社会保険の加入手続き
法人化すると、仮に社長1人の会社だとしても社会保険に加入しなければなりません。
忘れていると、前の年まで遡って払うことになってしまいます。
一気に払うことになると思わぬ負担になるので、法人化したら手続きは済ませておきましょう。
いかがだったでしょうか?
税理士について長々とお話しましたが、やはり一番いいことは本業に専念できるということです。
いきなりは厳しければ、確定申告だけ依頼して、売上が上がってきたり法人化を考慮してから顧問契約するというのも手です。
全文読んでいただいてありがとうございました。
実際に税理士に聞いてみようと思って頂いた方も
読んでみたけど、自分はどうなんだろう?という方も、お気軽に当事務所までご相談ください。
カテゴリ:
2018年4月 5日 14:30
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