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合同会社から株式会社へ変更登記するための手続きと変更の際の3つの注意点

合同会社設立のメリットの1つに、「株式会社へ変更することもできる」というものがありました。
実際、合同会社から始めてゆくゆくは株式会社に、という考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、株式会社に変更するためには、それなりの手続きが必要になります。
今回のブログでは、合同会社から株式会社に変更する際の手続きや、その際の注意点などについてお話していきます。




  • 合同会社から株式会社へ変更する流れ
まず、具体的に以下のような流れで変更までの手続きが進んでいきます。

① 組織変更計画書の作成



②(「社員」全員の同意を得る)



③ 債権者保護手続



1ヶ月後、効力発生



④ 合同会社の解散登記&株式会社の設立登記

という流れで行います。
ご覧いただいて分かる通り、合同会社から株式会社に組織変更するためには、最短でも1ヶ月かかります。




  • 変更のために必要な手続き
それでは、上記の流れにあわせて1つずつみていきましょう。


組織変更計画書の作成

合同会社と株式会社では、定款に必要な事項が大きく異なります。
その新しい事項について、組織変更計画書を作成します。

上記のように、株式会社変更後の目的や商号、株式について等を記載していきます。

また、組織変更計画書に定めた効力発生日(赤線部)の前日までに、合同会社の「社員」全員の同意を取る必要があります。
その際は、以下のような同意書を作成しましょう。

これら組織変更計画書等の、合同会社の変更登記のために必要な書類は、法務局のホ-ムペ-ジからダウンロ-ドすることができます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor3-5


債権者保護手続

合同会社の債権者は、会社の組織変更に異議を唱えることができます。
そのため、会社の組織変更を行う際には、債権者に対して通知を行わなければならず、このことを債権者保護手続きといいます。

また、仮に債権者が1人もいない場合でも、この手続きは省略することができませんのでご注意ください。

債権者保護手続きには以下の2つがあります。

① 官報による公告
官報に、組織変更の旨を掲載し会社の債権者に対して広く知らしめます。
官報公告の雛形は以下の通りです。


② 債権者への個別通知催告
会社で把握している債権者に対しては、個別で催告を行う必要があります。

上記の官報公告とあわせて、1ヶ月の間に異議の申し立てが無ければ、法務局で登記手続を行います。


登記申請

債権者保護手続きから1ヶ月経過後、法務局にて組織変更の登記申請を行います。
その際に必要の書類の例は以下の通りです。

・合同会社の組織変更による株式会社の設立登記申請書
・登記すべき事項のCD-R
・定款
・組織変更計画書
・組織変更計画に関する総社員の同意書
・代表取締役の選定に関する書面
・取締役、代表取締役及び監査役の就任承諾書
・本人確認証明書
・公告及び催告をしたことを証する書面
・資本金の額の計上に関する証明書
・登録免許税法施行規則第12条第4項の規定に関する証明書
・合同会社組織変更による解散登記申請書

これら申請書類の記載例はコチラをご覧ください。




  • 変更の際の3つの注意点
続いて、変更手続きを行う際の注意点についてお話します。


費用は約10万~20万円

上記の手続きを行うには、当然ながら費用がかかります。
自分でやった場合で約10万円、司法書士など専門家に依頼した場合で20万円弱のお金が必要になります。

内訳は以下の通りです。

・登録免許税(合同会社解散):30,000円
・登録免許税(株式会社設立):30,000円
・官報公告費用:約35,000円
・司法書士手数料:別途

実は、合同会社を設立して株式会社に変更するのと、一から株式会社を設立するのでほとんど費用は変わりません。
司法書士手数料によっては、合同会社→株式会社のほうが安くなるケ-スもあります。



最低でも1ヶ月は変更できない

上記でもお話しましたが、債権者保護手続きの1ヶ月間は最低でも必要な期間となります。
来週までに株式会社にしたい!ということは不可能なので、時間がかかるということは予め頭に入れておいて、計画的な1ヶ月にしましょう。



会社の変更にあわせた事務的変更

合同会社から株式会社に変更すると、事業自体は同じでも、名前や代表者の肩書きは変わります。

「○○合同会社」→「○○株式会社」

「代表社員 ○○」→「代表取締役 ○○」

名刺や封筒、ホ-ムペ-ジなど、新しく作り変えなくてはいけません。
幸いにも1ヶ月間の時間があるので、これらの事務的変更も着々と進めておくように心がけましょう。




  • 株式会社に変更するのはどんな時?
そもそも、一度合同会社を設立して株式会社に変更するのは、どのような時でしょうか?
2つ例をご紹介します。



順調に業績が上がりさらなる事業拡大を

合同会社の何よりのメリットは設立費用が安いことです。
事業の性質上法人の肩書きは欲しいけど、設立費用をできるだけ抑えたい。ということで合同会社を設立される方も多いと思います。

業績が上がり、さらなる事業の拡大を目指す場合に、株式会社に組織変更するというのが一番一般的な流れです。


「合同会社」「代表社員」という名前の違和感

年々知名度は上がっている合同会社ですが、株式会社のように一般的に認知される域にはまだ達していないのが現状です。
多くの方が、名前は知ってるけど、、、といった程度の感じではないかと思います。

「え?代表社員てなんですか?」

「合同会社なのにお一人なんですか?」

など、名刺交換のたびに説明するのが面倒で、株式会社に変更したというのは、意外にも合同会社あるあるのようです。




  • まとめ
いかがだったでしょうか?
自分にとってどっちがいいのかということは、実はやってみないと分からないものです。

悩んだ結果、合同会社にしたとしても、もしデメリットを感じることが多ければ、思い切って株式会社に変更するということも考慮しておきましょう。

また、変更の手続きは間違いの無いように専門家に相談することをおススメします。



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